毎年6月~7月の時期は、新聞配達員の方たちは憂鬱(ゆううつ)な日が多くなります。
その一番の原因は「梅雨(つゆ)の到来」です。
ドンヨリした空、ジメジメした体感、蒸し暑い気温、シトシト(時にザーザー)降り続く雨…
これだけでも気が滅入ってしまいますね。
配達スタッフの中には、「冬の寒い季節よりも梅雨の時期の方がイヤだ!」と思う人も少なくありません。
何故かと言えば、雨の日の配達は新聞を濡らさないようにビニールに包んだり、ポストに入れる際にも気を使ったりして、いつも以上に手間がかかるからです。
そこで、配達員の方たちも少しでも快適に仕事をこなすために様々な工夫を凝らしています。
今回は雨の日の対処法を交えながら、そのアイデアをいくつか取り上げてみましょう。
バイク用レインコートは新聞配達に不向き!?
雨具の王道と言ったら「傘」ですが、バイクで仕事をする方には不都合です。
そうすると、必然的に「レインコート」が欠かせない雨具となります。
しかし意外にも「新聞配達に適したレインコートがなかなか無い!」といった声も聞こえます。
バイク用のレインコートは、一見するとスタイリッシュで防水性も高く見えますが、基本はバイクを運転する体勢に最適化しているため、頻繁(ひんぱん)に乗り降りする新聞配達には今一つしっくりこないと言う意見があります。
その他に「ポンチョ」や「作業用レインコート」など違うタイプもありますが、ポンチョだと動きやすい反面、雨の侵入が防ぎきれなしですし、作業用だと逆にかさばって動きづらい…。
結局のところ、防水効果の高い雨具ほど動きづらいと言うことでしょうか。
とは言っても、最近は撥水性、耐水性、防水性、防湿性に優れたもの、バイク、自転車、アウトドア、通勤、通学など様々なシーンで活躍できるものなど、多様性、機能性を持った高性能レインウエアが市販されています。
また、意外な?選択肢として100均のビニールカッパを愛用している配達員の方もおられるかと思います。
いずれにしましても、雨の日対策としてレインウエア選びを一度じっくり考えてみてはいかがでしょうか。
雨ビの新聞は「空気抜き」が大事!
雨の日の新聞配達で一番ダメージが大きいのが、バイクの転倒&新聞の滑り落ちです。
転倒はとにかく運転に気をつけるしかないのですが、ありがちなのが荷台から新聞が滑り落ちてしまうこと。
雨の日には新聞が濡れないようにビニール(「雨ビ」といいます)をかけます。
そのビニールのせいで新聞が普段以上に滑りやすくなり、荷台から落ちてしまうんですね。
こうなると余計な手間が増えてしまって、大幅に時間のロスとなってしまいます。
そこで皆さんが行っている対処法の1つに「空気抜き」と言うワザがあります。
専用の機械で雨ビをしたら、ある程度新聞を束にしてビニールが破れないように注意しながら上から押さえつけて空気を抜くわけです。
そうすると、雨ビの新聞と新聞が密着して滑りづらくなります。
次に空気抜きを施した新聞をバイクに乗せる際にもちょっとしたコツがあります。
それは「バイクを直立させて新聞を詰め込む」ということです。
バイクを立てかけるスタンドはサイドスタンドのほかに、後輪を宙に浮かせてガッチリと固定するセンタースタンドがあります。
サイドスタンドにしているとバイクは斜めになってしまい、その状態で新聞を詰め込むとどうしても滑り落ちやすくなります。
一方、直立でバイクを維持できるセンタースタンドなら、新聞をきっちり詰め込むことができるわけです。
面倒でもセンタースタンドでバイクを真っ直ぐに立てて、新聞を積み込んでみましょう。
その際には、くれぐれも「立ちコケ」には気をつけてくださいね。
配達中に突然雨が!さてどうする?
配達前から雨が降っていたり、これから確実に雨になりそうな日などは、しっかり雨対策をして挑めますが、実は一番やっかいなのが、配達途中で突然降ってくる雨です。
「天気予報では雨は降らないって言っていたのに~」と恨めしく思うこともありますが、こればっかりはどうしようもありません。
もし、突然の雨で雨ビをしていない新聞が濡れたりしたら配達はできないので、いちいち販売店まで戻って差し替えるなど、大変な手間が生じます。
ですので、少しでも「あやしい~」と思ったら、前カゴの分だけでも雨ビをしたり、後ろカゴにはしっかりとカバーをかけるなどの対策を取っておきましょう。
大変な手間をかけないためにも、日頃から「ひと手間を惜しまないこと」が一番良い方法かもしれませんね。
もう一つ日頃の対策としては、やはり天気予報をしっかり確認することです。
確認すると言っても、ただ「晴か雨かくもりか?」や「降水確率」だけにとどまらず、「雲の流れや移り変わり」まで見ておくことが大切です。
今は、テレビを見なくてもスマホからアプリをダウンロードして簡単に確認できる時代です。
是非、自分が信頼できそうな「お天気アプリ」を探して活用してみましょう。
(引用:日本気象協会)
まとめ
新聞に使われる「紙」は植物性のパルプを原料につくられており、「他の紙より水分を吸収する」と言う性質を持っています。
その特性から、よく湿気を取る小道具として様々なシーンで使われていたりもします。
しかし、これは新聞の二次利用の話ですので、まず新聞を「商品」として考えた場合、水や湿気には気を使わなければなりません。
そんなことで、いつもより手間も時間もかかってしまう雨の日の新聞配達です。
そのことを知ってか知らずか、雨ビに包まれた新聞が届けられると、「新聞を大切に扱っているんだなぁ~」と思う購読者もきっと多くいることでしょう。