仕事をするうえで、避けて通れないもの…
それは、「失敗(=ミス、エラー)」です。
あるアンケート調査で、「仕事上で失敗した経験がある人」をまとめたところ、およそ99%が「失敗経験アリ」という結果でした。
そのうち、およそ半分が重大な失敗経験「アリ」だそうです。
まあ、この結果をみると「当然と言えば当然」と思いますが、
逆に驚いたのは、「100人に1人は、失敗経験なし」という強者がいることに「本当かいな~」と疑ってしまいました。
それだけ、仕事に失敗やミス、エラーはつきもの。
大事なのは、その経験をどう克服して成長していくかですね。
そこで、今回は新聞配達にみる「失敗あるある」から、どんな教訓が引き出せるか、実際の経験談から取り上げてみましょう。
あるある失敗談-① やってしまった!朝寝坊
都内某所の新聞販売店で働くFさんは、比較的寝付きと寝起きが良く、寝過ごしてしまうことはあまりないのですが、一度大きな寝坊をしてしまったことがありました。
もっぱら携帯のアラーム機能を目覚まし時計代わりに使っているのですが、寝ている間に充電しているつもりだった携帯がなぜか充電できておらず、バッテリーが「0」になり、電源が落ちていたことが原因です。
夢心地に、「あれ、いつもより長い時間眠ってる?」と、ふと時計に目をやると、起床時間を1時間も過ぎていました。
「やばい!」
慌てて飛び起きて、身支度もそこそこに決死の形相で勤め先に駆け込んできました。
その時は幸運にも遅配によるクレームは発生しなかったのですが、自分の寝坊のせいで販売店やほかのスタッフにも多大な迷惑をかけて、一日中肩身の狭い思いで過ごしたそうです。
あるある失敗談-② 「大丈夫!」と思ったつもりが…
初めての新聞配達の仕事をすることになったSさん。
まずやることは、必ず先輩とペアになって配達先の順路を覚えることです。
そこで、順路を覚えるために、「順路帳」というアンチョコのようなものを渡されます。
これには担当区域の順路や氏名、新聞の種類、部数などが書かれていて(細かい内容は各販売店によって異なります)、このアンチョコ片手に先輩の後を必死に追いかけて順路を覚えるわけです。
いよいよ次回から自分一人で配達、となった時、先輩から声を掛けられました。
「明日の休みだよね?時間あるなら一度自分ひとりで周ってみるといいよ。」というありがたいアドバイスです。
その時にSさんは、「大丈夫!」と、なぜか妙な自信のようなものが自分の中にあったようで、結果的にその助言を無視してしまいました。
そして迎えた一人っきりの新聞配達初日。
最初は順調だったのですが、途中からだんだんと記憶が曖昧になってきます。
慌てて順路帳に目をやるものも、焦ってしまって目の前の情報と記憶が結びつきません。
こうなるともうパニック状態です。
必死になってあっちを行ったり、こっちに戻ったりと駆けずり回りながら新聞を配達する羽目になりました。
一方、いつもあるはずの新聞が来ていないお宅からは、クレームの電話も何件か入ってきました。
販売店の所長も心配して様子を見に行こうとしていた矢先、Sさんは疲れ果てた様子で戻ってきました。
すでに朝7時をだいぶ過ぎた頃だったと言うことです。
あるある失敗談-③ ちょっとした配達ミスが思わぬ事態に!?
新聞販売店は一社専売のところもありますが、多くは複数の新聞社の新聞を取り扱います。
当然、配達先によって配達する新聞は決まっているのですが、Oさんはそこでちょっとしたミスをしてしまいました。
A新聞を届けなければいけないお宅に、間違えてB新聞を入れてしまったのです。
Oさんがミスに気がついたのは、あらかた配達が終わった頃。
よく見てみると、新聞の数が合わないのです。
慌てて配達し終えた家を一軒一軒戻りましたが、間違えて配達した新聞は見つかりません。
すでにポストから新聞を受け取ったお宅も多かったんですね。
仕方なく販売店に戻り、所長に素直にミスを報告しました。
所長は「気にしないで。次から気をつけて」と優しく励ましてくれた。
と、ここまではよかったのですが、この話はまだ終わっていませんでした。
実は、間違えて配達したお宅のご主人がカンカンになって苦情の電話を入れてきたのです。
所長は平身低頭謝罪したそうなのですが、その方の怒りは収まらず、結局契約を打ち切られてしまいました。
たった一度の自分のミスで、販売店は契約を一軒失ってしまったと言うことです。