世の中は、ますますデジタル化の波が押し寄せています。
例えば、一般的な企業をみていただくとわかりますが、保管したい資料や書類があった場合、従来は紙のままファイルに綴じて書庫に保管していたものが、今やPDFなどでデータ変換して保存するといったケースも当たり前になっています。
また、会社の決算申告でも従来の紙から電子化して行われるケースも一般的になりました。
その他にも、現金⇒電子マネー、書籍⇒e-Book、航空券⇒e-チケット、折込チラシ⇒Webチラシなど、身の回りを見渡してみると、たくさんのことがデジタル(電子)化されていることに気づかされます。
これは新聞業界も例外ではありません。
現在、日本の大手新聞各社はいずれも新聞の電子版・デジタル新聞を発行しています。
今回は、そんなデジタル新聞(電子版)の特性や従来の紙(宅配)新聞との違いなどを取り上げてみることにします。
そもそもデジタル新聞とは何か?
デジタル新聞はその名の通り、紙で発行されている新聞をPCやスマホ、タブレットなどで読むことの出来るデータ化された新聞です。
デジタル新聞という呼び名以外でも、Web新聞、電子新聞、オンライン新聞などは基本的に同義語です。
インターネットの世界では、Yahoo!ニュースやまとめサイトなど、様々なニュースサイトがありますが、ここで言う「デジタル新聞」とは、あくまでも新聞各社が発行している新聞媒体紙のデジタル(電子)版のことを指しています。
デジタル新聞の特性は何か?
では、デジタル新聞は紙新聞と比べてどんな特性があるかを見てみます。
まず、大きな特徴としては「ペーパーレス」であることです。
デジタル新聞は、文字通りデジタル端末(PC、モバイル、タブレットなど)を通じて情報が映し出されます。
つまり、ネットワークに繋がっていれば、『いつでもどこでも読むことが出来る』というのはデジタル版の一番のメリットかもしれません。
また、紙と違い新聞そのものの物体がないので、その都度、売店で買う必要も捨てる必要もありません。
では、使い勝手はどうかというと、これもデジタル版ならではの特徴があります。
各新聞社が発行しているデジタル新聞のサイトを見ると、たいがい「検索機能」がついています。
これは、検索ウィンドウに知りたい情報のキーワードを入力すれば、瞬時に該当する記事を参照することができるものです。
また、過去に遡って検索も可能なので、気になる事件やニュースの一連の情報を網羅(もうら)できる他、随時データの更新がなされますから、紙の新聞よりも最新のニュースが入手しやすくなります。
そうすると、「紙版よりもデジタル版のほうが優れているのでは?」と思いがちになりますが、「使い勝手」という点ではそれなりの難点もあります。
先ほど、「ネットワークに繋がっていれば」という前提がありましたが、デジタル新聞はまさしく「ネット環境」に委(ゆだ)ねられます。
これは、お手持ちの端末機器があってもネットワークに繋がっていなければ、基本的に見ることができません。
例え繋がっていても安定性や通信速度などの問題もあります。
次に端末機器ごとの違いによる使い勝手を考えてみましょう。
デジタル新聞の読み易さについては、端末機器によるところが大きいと言えます。
これはどういうことかと申しますと、
デジタル新聞でも、基本のレイアウトは紙の新聞に準じて作成されています。
従って、スマホなどの小さな端末に紙面を収めるのはどうしても無理があり、記事を読むために何度も画面をタップして拡大させる必要があります。
ストレスなく紙と同じような感覚でデジタル新聞を読むためには、最低でも10インチ以上の画面がほしいところです。
その他の違いでは、「デジタル新聞は折込広告がない」と言うのも一つの特性です。
「チラシの情報も得たい!」と言う人にとっては、少し物足りなさも感じるかもしれませんね。
ここで一旦、デジタル新聞の特性や使い勝手について整理してみます。
- デジタル新聞は、ペーパーレスで実物がない
- デジタル端末を介して情報を閲覧することができる
- ネットワークに繋がっていなければ閲覧することができない
- 過去のストック情報も検索機能で閲覧することができる
- 記事の読みやすさは端末機器によって違いが出る
- 新聞の折込チラシはデジタル新聞では入手できない
こうしてみると、使い勝手の点では一長一短がありそうですが、今度は、実際にデジタル新聞を配信している新聞各社は、どのような料金やサービス体系で提供しているかをみることにします。