とある日の朝のこと…
「母さん!新聞が入ってなかったぞ」
「あんた何言ってんの、今日は新聞休みじゃないの」
「ああ、そうか今日は休刊日か…」
新聞購読者のお宅なら、誰でもこんな風景に遭遇したことがあるのではないでしょうか。
そんなことで今回は「新聞の休刊日」についてお話ししてみたいと思います。
まずは問題です!
問:「新聞の休刊日は、1年間で何回あるでしょうか?」
チッ、チッ、チッ、チッ…(←シンキングタイムの音)
はい!タイムアップです。
おわかりになりましたか?
すぐに答えられた方は、かなりの業界通?かもしれません。
ちなみに、2018年の読売新聞の休刊日は次のように決められています。
1月2日(火)
2月5日(月)
3月 予定なし
4月9日(月)
5月7日(月)
6月11日(月)
7月9日(月)
8月13日(月)
9月10日(月)
10月9日(火)
11月12日(月)
12月10日(月)
こうして見ると、何か気づくことがありますよね。
そうです!休刊の日は「月曜日」に多いことです。
一部「火曜日」になっているのは、前日の月曜日が祝日などにあたるためです。
では、「新聞の休刊日とは、そもそも何のためにあるのか?」です。
これは、発行元である新聞社が、日々休まず配達してくれる新聞販売店のために、「この日は新聞を発行しませんから、休んでくださいね。」と慰労・休暇を目的に定めた日を「休刊日」としているわけです。
でも、素人目からすると「何故、月曜日?」と思いませんか?
せっかくなんだから「日曜日を休刊すればいいんじゃない?」と思っても不思議じゃありませんよね。
実は、新聞休刊日を「月曜日」とする理由があり、そこに新聞販売店の労務の実態が隠されているんです。
新聞販売店での仕事は、朝夕の新聞配達だけではありません。
それ以外の業務として、「翌日の折込チラシの準備」や「新規開拓のための営業」、「集金業務」、「顧客管理」や「事務作業」など多岐にわたります。
このような業務を日々こなしながら休むには、「月曜日の休刊が一番都合が良い」と言うことです。
もう少し具体的に説明しましょう。
そもそも日曜日は基本的に夕刊の配達がありません。
もし月曜日の朝刊を配る必要がなかったら、日曜日に折込チラシを準備する必要もないわけです。
新聞の折込チラシは当日の配達業務の効率化のために、前日の昼間に準備します。
その準備作業と夕刊配達がないために、新聞販売店は丸一日お休みをいただくことができるんですね。
仮にこれが月曜日以外の日を休刊日にしてしまうと、前日の折込チラシの準備がなくても当日の夕刊配達があるため、お店自体は休むことができなくなります。
また、新聞販売店の収入源の大きな柱の一つでもある折込チラシの数が「月曜日は比較的少ない」という統計的な理由も関係しています。
このような様々な要因を考えると「新聞休刊日は月曜が最適」となるわけです。
ちなみに、先ほど読売新聞の休刊日を例として用いましたが、他の新聞各社も「休刊日は同じ日」としています。
これは、新聞販売店が一つの銘柄だけでなく複数取り扱っていることが当たり前で、それぞれの銘柄によって休刊日がバラバラだと、販売店は結局休めなくなります。
つまり、新聞業界で連携して休刊日を統一しているわけなんですね。
年何回かの限られた日しかない休刊日。
新聞販売店の皆さんにとって、大変貴重な日というのがお分かりいただけましたか?