通常、会社などで働く(雇用されている)人が、労働に対する対価(報酬)を算定する際の多くが「時間給」を採用しています。
例えば、時給1000円の仕事を3時間行ったら3000円の収入になりますし、6時間行ったら6000円の収入が得られると言った具合です。
この算定方式で働こうとすれば、自分が仕事に「どのくらい労働時間を費やしたか?」によって収入が変動するわけです。
一方、時間給以外に対価(報酬)を算定する方式もあります。
それが「成果給」と呼ばれるものです。
成果給は、実際に働いた時間に関係なく、文字通り「仕事に対する成果」で評価され、報酬が得られる仕組みです。
この方式ですと、3000円の成果報酬の仕事を3時間かけて行おうが、1時間で行おうが報酬額は変わらないことになります。
では、新聞配達の仕事は「時間給」と「成果給」のどっちを採用しているかと言えば、後者の「成果給」に該当します。
新聞配達は、担当するエリアごとに配達件数が決められており、その配達実績(成果)によって報酬(給与)が算定されることになります。
これによると、労働時間(=配達に要した時間)に関係なく配達件数で評価されるので、要領よく配達すればそれだけ「時短(=配達時間の短縮)」に繋がります。
そこで今回は、新聞配達のプロが実践している「時短」に繋がる配達実践法をいくつか取り上げてみたいと思います。
時短テク①:バイクから降車しない投函手法
新聞配達の時短テクで一番のポイントは、一軒あたりにかかる投函を可能な限り短くすることです。
配達先についたらバイクを止めて降車し、新聞を抜き取ってポストに入れ、再びバイクをまたぐ…。
一見当たり前のように感じますが、実は結構な時間ロスが発生しています。
その要因は、「バイクを止めて乗り降り」に要している時間です。
理想としては、バイクから降車せず、片手で新聞を抜き取り、そのままポストに投函することが出来れば、かなりの時短に繋がります。
上級者になるとバイクから降車しないどころか、走らせながら投函し続ける猛者もいるようです。
時短テク②:片手投函できる積み方の工夫
バイクから降りずに投函することで、かなりの時短になりますが、その基本動作は「片手投函」が出来ることです。
それを実践するために重要なのが「新聞の積み込み方」になります。
ここで積み方の方法がいくつかありますのでご紹介しましょう。
タケノコ積み 前かごにタケノコのように新聞を重ねる積み込み方法
並列積み 後ろの荷台に二列に並べる積み込み方法
ウェーブ積み 二列に積んだ新聞を適度にまとめて二つ折りにする方法
このような積み方は、片手(左手)のみで新聞を抜き取り、投函できるようにした先人たちの工夫です。
だだし、いかに効率的になるとはいえ、安全運転が何より一番大事なのは言うまでもありません。
時短テク③:片手で「新聞折り」をマスターする
片手でも新聞を抜ける積み方をマスターしたら、次のステップは「新聞折り」を片手でできるようになることです。
新聞はそのままでは郵便受けに入りませんから、通常は二つ折りにして投函します。
ポストが小さい場合は、さらにもう一度折り込んで四つ折りにすることもあります。
この折り込みテクニックを片手でできれば、さらなる時短が可能です。
具体的には、次の配達先に向かうまでに後ろに積んだ新聞を左手で抜き取り、真ん中をつかんで二つ折りにする、四つ折りにする必要がある場合はさらにもう一度真ん中をつかんで自分の太ももにパン!と軽く叩きつけると、簡単に四つ折りにできてしまうんです。
この「新聞折り」を実践するためのコツは、やはり「新聞の積み方」にあります。
バイクに前かごが付いていれば、ある程度の新聞を前かごに積むことで新聞の抜き取りから折り込むまでの動作がよりスムーズになることでしょう。
時短テク④:集合住宅は下りのエレベーターを使わない
ここまで、バイクから降りずに投函する時短テクをご紹介しましたが、あくまでも想定が「戸建て」の場合です。
マンションなどの集合住宅の場合、バイクから降車しないわけには行きませんので、一旦降りてから投函する際の工夫が時短に繋がります。
1階エントランスに集合ポストが設置されていれば、要領よく投函することも可能ですが、各階のドアポストに投函しなければならない集合住宅なども存在します。
そのような場合、エレベーターが設置されている建物であれば、まずエレベーターを使って最上階まで行き、その後、下層階へは階段を使って順番に降りていく「パラシュート方式」が効率的な投函手法として実践されています
まとめ
時短配達の裏ワザ、いかがだったでしょうか?
ここに紹介した以外でも、全国の配達スタッフの皆さんの中には独自のマル秘テクをあみだして実践している人もいることでしょう。
新聞配達に限らず、どんな仕事でも「ちょっとした工夫次第」で業務効率化がグンとアップすることが多々あります。
特に「成果給」を採用している場合、効率化によって「業務の短縮」に結びつき、その恩恵として「新たな時間」が創出されるのです。
時短によって生み出された時間は、「身体を休めたり」、「自己啓発に充てたり」、「楽しむ時間にしたり」、「さらに配達件数を増やして収入を増やしたり」…と、多くの選択肢を可能にします。
タイム・イズ・マネー=「時は金なり」
誰にでも平等に与えられている時間を「どう活かすか?」は、自分次第と言ったところでしょうか。