平成から令和の時代に移行した今、日本はさまざまな社会問題を抱えています。
その中でも少子高齢化による人口減少は深刻です。
政府では、この問題の対策として「1億総活躍社会の実現」をスローガンに打ち出しており、「働き方改革」もその一端を担っています。
そもそも働き方改革とは、「人口減少による労働生産性をいかに確保するか?」が命題です。
特に労働生産の要(かなめ)となる15~64才の労働人口が、想定以上に減少しているそうです。
この穴埋め?として、外国人労働者の受入れ(就労ビザの拡充)なんかは、記憶に新しいところですが、労働者不足を補うにはもっと身近な問題に目を向ける必要もあります。
それは、「ニート」や「ひきこもり」と言った非労働力層による労働生産性の弊害です。
ではここで、ニートと引きこもりの違いを定義しておきます。
【ニート】
15-39歳の非労働力人口(状況をかんがみて求職活動をしていない人など)のうち家事も通学もしていない者。
【引きこもり】
仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに6か月以上続けて自宅にひきこもっている状態。
新聞配達と言う仕事の可能性
ニートやひきこもりなどの方たちも「なんとか社会復帰して仕事をしたい!」と思い願う人もいるはずです。
しかし、簡単に社会復帰と言っても「気持ちの問題」以外にも「現実的なハードル」がネックになることも否めません。
そこで、ニートやひきこもりと言われる非労働者の立場から「新聞配達の仕事」について可能性を見出していきましょう。
新聞配達は学歴・経歴は不問!
社会復帰を目指す人にとって難関となるのが、職歴などの経歴関係です。
履歴書に空白の年数が長いと、明確な理由を聞かれる場合もありますし、やはり心象自体がマイナス要因に働くことが考えられます。
しかし、世の中には学歴や職歴、経験などは一切関係なく仕事につける職種がたくさんあります。
新聞配達の仕事もその一つと言えます。
新聞配達の就労条件に、高卒以上を条件に掲げているところもありますが、多くは学歴や経歴、経験などほとんど場合、不問となっています。
新聞配達の仕事は、一定の条件があれば中学生でも行える仕事なので、そう言った意味では就業ハードルはとても低いと言えます。
昼間が苦手という方に順応しやすい
新聞配達と言う仕事の特徴は、何と言っても働く時間帯にあります。
朝刊配達は、深夜~早朝にかけておこないます。
そのため、配達スタッフの起床する実際の時間は午前2~3時といったところです。
「朝起きて夜寝る」という通常生活パターンを送っている人ですと、慣れるまで相応の時間を要することもあります。
しかし、昼夜をさほど気にしない生活パターンがある人ですと、それだけでアドバンテージを持っていることになります。
人間関係や対人関係に悩まない!
一歩でも通常パターンから離れて生活してしまうと、人の目、対人関係には人一倍敏感になってしまうものです。
社会生活とは、人間対人間のコミュニケーションが基盤となっていることに間違いありません。
特に、組織体として成り立つ会社に属して働こうとすれば、なおさらです。
ひょっとしたら、この対人関係というハードルが最大ネックとなっている方が一番多いかもしれません。
では、新聞配達の仕事はどうでしょうか?
配達スタッフも新聞販売店という会社組織に属して働く仕事であり、それぞれ役割分担や他のスタッフとの連携も取らねばなりません。
しかし、一般的な仕事に比べ「コミュニケーション」や「対人関係」と言った能力をさほど重要視するものではありません。
確かに組織行動とは言え、配達業務は完全に「個」が主体となる仕事であり、求められるのは「自己完結力」と言ったところでしょうか。
まとめ
統計調査によると、2018年時点で15-39歳の若年無業者(ニート)総数は71万人、15〜39歳の「ひきこもり」が推計54万1千人、40~64歳の中高年が推計61万3千人いると言われています。
この非労働者層が生産性を開花させたとしたら、とてつもないパワーが生まれることでしょう。
「ニート」も「ひきこもり」も様々な事情があるかと思いますが、単純に考えた場合、「労働者予備軍ともいえるポテンシャルをどう顕在化させるか?」が社会全体で取り組むべき課題であると言えます。
そう言った点では、「新聞配達の仕事」は比較的働きやすい条件が整った貴重な職種かもしれませんね。