どんな仕事でも、やるからには大義があります。
そして、任(まか)されるからには「役割や使命とは何か?」をしっかり心に刻むことも大切です。
その「心」を持って実行し、結果を出すことで「いい仕事をしてるね!」と周りから評価されることでしょう。
新聞配達の特徴と言えば、ほとんど一人でこなす仕事だと言えます。
順路帳をたよりに、契約者のお宅に配達すること…
これが新聞配達員の与えられた「役割」と言っていいかと思います。
では、新聞を配達することが「役割」であるならば、「使命」とは一体何でしょうか?
それは、任された役割を全(まっと)うすること…
つまりは、配達すべきところに、配達すべき時間内に、きちんと配達することが「使命」というわけです。
ただ、もう一つ大事な要件を忘れてはいけません。
それは、「マナー」です。
先程、新聞配達の特徴は、「ほとんど一人でこなす仕事だ」と申し上げました。
そうすると、どうしても「自己主観」が優先されてしまいます。
これは悪いことではありませんが、その反面に「客観性の欠如」も増幅する傾向があります。
客観性を簡単に説明すると、「周囲からどう見られているか?」ということです。
与えられた役割や使命を果たせさえすれば「何をやってもいい」わけではありません。
社会の一員として仕事をする以上、自分の行動によって周囲に与える影響も自覚してこそ「一流」です。
そこで今回は、新聞配達員にとって必要となる5つのマナーについて取り上げてみました。
是非、客観的な視点でチェックしてみてくださいね。
チェック① バイクの運転マナーに気を付けよう!
毎日同じ時間、同じルートを通る配達員ですから、思わぬ形でクレームが寄せられることもあります。
その筆頭が配達時の「運転マナー」です。
無意識に空ぶかしをしてしまったり、必要のない急ブレーキ音などで大きな音を立てていませんか?
また、狭い路地や人通りのない道など、安全確保のためにクラクションを鳴らすこともあるかもしれません。
危険回避の措置として致し方ないところですが、周囲に与える最低限の気配りは必要です。
配達中の運転マナー、あらためて見つめ直してみましょう。
チェック② 階段の上り下りにも気配りが必要!
集合住宅などにおいて、配達時に意外と音を発しているのが階段や廊下を歩く際の「音」です。
建物の構造や配置にもよりますが、鉄骨階段だったりすると歩くたびに「カン・カン・カン」と音が響きます。
階段や廊下に近い住戸では、音以外にも振動も伝わってきます。
自分としては気をつけているつもりでも、皆が寝静まっている早朝の時間帯にはちょっとした音が意外に響いてしまうことを忘れないでおきましょう。
まったく物音を立てないというのも無理な話ではありますが、自分の歩く(走る)際に発する音が「ドカッ、ドス」と聞こえたら要注意です。
忍者ではありませんが、抜き足・差し足・忍び足を意識して、「ドカッ、ドス」から「サッサッサッ」や「タッタッタ」になるように色々試してみても良いかもしれませんね。
チェック③ ポスト投函にもマナーがある!
それぞれの家やマンションによって、郵便ポストも千差万別です。
新聞配達の仕事を任されているからには、そうした一つ一つのポストの特性に合わせた投函方法を習得しなければなりません。
例えば、一軒家に多いステンレスやスチール製の四角のポストは新聞も入れやすいのですが、気をつけないとガチャン!という大きな音を立ててしまうことがあります。
マンションなどにある集合タイプのポストは受け口も容量も小さいため、ギュウギュウに押し込むと新聞が曲がってしまったり、奥まで落とし込まずに顔を出していることがクレームの原因となることもあります。
「このくらいは、いいじゃない!」と主観で判断せず、新聞を受け取る側に立って考える意識を持ち続けたいところです。
チェック④ 留守止めの依頼は忠実に守ろう!
これは、マナーと言うよりは業務管理と意識の問題かもしれません。
契約者が一時的に新聞の配達を止めたい場合、「留守止め」という方法を使います。
この依頼を受けて配達員は、「どこのお宅が留守止めか?」を日々把握しながら配達をします。
しかし、意識をしっかり持たないと「誤って投函してしまった」なんて事態を招いてしまいます。
これも主観で「このくらいは、いいじゃない!」と判断してはいけません。
契約者からすれば、防犯上の心配が気がかりなのに、帰宅したら我が家の郵便ポストが新聞でパンパンになっているのを見たらどう感じるでしょうか?
しっかり配達するのが配達員のあるべき姿ですが、留守止めの家には「しっかりと配達しない」というのも求められる業務の一環と言うわけです。
チェック⑤ 喫煙マナーは当たり前の時代です!
今の時代、喫煙者に対するマナーは一層厳しい目が向けられています。
配達員の方たちの中にも、喫煙者は多くいることでしょう。
以前、早朝にくわえタバコで配達している光景をどこかで見かけたことがありました。
見た目に良くないのはもちろん、新聞という「紙」を扱う業務ですので「火気」には特に気を配らなければなりません。
まして、バイク運転中だと片手運転も余儀なくされるし、ポイ捨てなんて大変危険な行為です。
「誰も見ていないから…」と気を抜いてはいけません。
どこで誰が見ているかもわかりませんし、たとえ人が見ていなくても、自分の行動を常に客観視することで「やってはいけない行為」が自然と脳裏に映し出されるようになるはずです。
まとめ
新聞配達の仕事は、一歩外に出ると自分だけの世界に入りがちです。
たとえ人との接点が少ない仕事であっても、それは目先だけです。
直接的でなくても間接的に様々な人と繋がっていくのが仕事です。
新聞配達員である前に「社会」という繋がりの中で、礼儀、作法、マナーをもって立ち振る舞うことは、社会人としての責務であると言えます。
そういった目で「自分」の行動を客観視することで、「気づいたら改める」というセルフコントロール(自己統制)力を養っていくことが求められます。
その一つ一つの積み重ねが、「さすがだね!」と周囲から評価され、しいては業界全体のイメージアップや活性化に繋がっていくのではないでしょうか。