新聞販売店のメイン業務のひとつに「営業」があります。
昔も今も訪問営業が基本ですが、世の中の流れで、なかなか昔ほど玄関のドアが開きにくい時代になりました。
ここでは、「新聞営業」の実態についてレポートします。
新聞営業は、「新規営業」と「継続営業」の大きく分けて2種類あります。
新規営業とは、担当エリア内で、自店の新聞を購読していないお宅を訪問して新規購読者を獲得するのが使命です。
継続営業とは、既に契約中のお客さんに対して、契約期間を延長してもらうことを使命としています。
この「新規営業」と「継続営業」を比較すると、8:2ぐらいの割合で新規営業のほうが難易度が高いのはおおかた想像がつくと思います。
その分、新規営業は報酬(歩合)も高く設定されている場合が多いです。
お客さんと購読の際に、新聞販売店と取り交わす契約書のことを業界的に「カード」と呼びますが、このカードの種別ごとに細かく歩合の金額(カード料といいます)が設定されています。
新規購読契約にも2通りあり、まるっきり初めて購読する「新勧(しんかん)」と呼ばれるカードと、以前購読していて現在は予約も入っていないお客さんから契約を貰う「起し」と呼ばれるカードもあります。
一方、「継続契約」にもこれまた色々あり、現在購読しているお客様の契約延長を「縛り」。
予約を頂いているお客さんから予約期間中に延長してもらうことを「予約縛り」又は「先縛り」。
現在、購読しているが次は他紙の予約が入っていて、その先の契約を頂くことを「先起し」と呼んだりしています。
※カードの種別は、系統や販売店によって多少呼び方が違います。
ところで、自分の担当エリアの地図を見た場合、現在購読中の顧客(「現読(げんどく)」といいます)が約3割、予約を頂いているお客さんが約1割、あとの6割は他紙を購読しているか、どこも購読していない無読世帯だとします。
そうすると、自分の担当エリアの世帯数が約1,000世帯あったとして、300世帯が現読で100世帯が予約客です。
そして、残りの600世帯は他紙購読中又は新聞を購読していない無読世帯となります。
そこで、全1000世帯のターゲットに対して、どこから優先してコンタクトしていくかを考えなければいけません。
優先度も重要度も高いのは「現読」の300世帯です。
まずは、そこからアプローチして、自分の顔や名前を覚えてもらい、距離感を縮めることが大切です。
さて、ファーストコンタクトを試みた際には、特に契約の話しはしなくて大丈夫です。
挨拶や世間話をして、心理的距離感が縮められればOKです。
ここで大事なのは、話の内容よりも「見た目」を意識してくださいね。
人はまず、第一印象(見た目)でその人を受け入れるかどうかの判断を無意識に行います。
やはり、身だしなみをキチンと整え、人に与える印象に注意してください。
「見た目」に続いて、次に意識づけするのは「話し方」です。
これは、「声の強弱」、「トーン」、「早さ」、「言葉づかい」などが含まれます。
最近はどこの家でも、TVモニター付きのインターホンが主流となっています。
そう考えると、本当の最初の出会いは「インターホン越し」と言うことになります。
身だしなみや表情に気をつけながら、声のトーンは平常よりも少し高めで、丁寧な言葉でゆっくりと会話してください。
アポなし訪問では、お客さんの都合で留守もあれば、たとえ在宅中でも会えないことも多々あります。
こののようなケースでは、訪問した足跡を残すように、名刺や粗品、パンフレットなどをポストに入れていくことです。
※在宅中であれば、一言断ってからポストに投函したほうが丁寧だと思います。
例えば、名刺の裏に「本日お伺いしましたが、ご不在のようなので、改めてお伺いさせて頂きます。〇〇新聞担当〇〇」など一筆書いてポストに投函します。
そして、後日適当なタイミングで再訪問した際に、お会いできたたら「今日は近くまで来たのでご挨拶に寄らせて頂きました。」と面識を取ります。
なかなか反応が今一つのお客さんだった場合、最初からガツガツせず、何度かソフトに面識を深めていくことで、心を徐々に開いてくれることも多々あります。
(ちなみに、初めは面倒で断っていたのに、度々断ることが申し訳なくなってしまい玄関を開けて話しを聞いてくれる人もいます。)
初めからそう簡単に上手くいかないと思いますが、コツを掴むと今日はあのお客様を訪問してみようとか、今の時間帯だったら、あそこの家に行ってみようとか、だんだんと訪問することが楽しくなってきます。
そして、1日の終わりに今日の出来事を振り返り、「何が出来たか、何が出来なかったか」→「どうすれば出来るようになるか」を検証して、改善意識を持ち続けることです。
そうすることで、驚くほど自分の営業レベルがグングン上がっていきます。
レベルアップとともに、「現読客」→次は「予約客」→その次は「他紙購読客」や「無読客」に挑戦していくと良いでしょう。
こうした営業活動を実直に積み上げていくと、やがて自分の担当エリアのお客様から顔を覚えてもらうようになります。
道端でお会いしても挨拶するような間柄にもなり得ます。
すると、お客さんの顔をみたり思い浮かべるだけで、家族構成や購読状況などがデータを見なくてもわかるようになります。
そうなれば、あなたは自他ともに認める一流の「新聞屋さん」になっていることでしょう。
皆さん、頑張りましょう!