事業(=経営)の普遍的な原理は、「いかに売上を持続的にあげるか?」にかかっています。
では、「売上は一体、どのようにつくりだすか?」ですが、これも普遍的な方程式で表すことができます。
それが、こちら。
売上=客数×客単価
この方程式をよく見てください。
売上をつくりだす計算式に「客」というキーワードが入っていますね。
そうなんです!
会社が売上をつくりだす源(みなもと)は、「お客さん」なのです。
今や、会社が健全に事業を行っていくための重要課題の一つに「顧客満足の向上」が不可欠になっています。
まさに「お客さんなくして売上なし、売上なくして会社なし」の考え方です。
では、顧客満足(Customer Satisfaction= CS)とは一体何でしょう?
文字通りに解釈すれば、「事業者から提供を受け、モノやコトと言った商品やサービスを購入した(受けた)者が、その効果に心が満たされること」です。
簡単に言えば、「あぁ、あそこ(店や会社)で、これ(モノやコト)買って本当よかった~」と言ったところでしょうか。
従って、お客さんの満足感が高ければ高いほど、その商品やサービスを提供している会社の評価が高まるわけで、そのお客さん中から「リピート購入」、しいては「ロイヤルカスタマー(得意客)化」に繋がっていくわけです。
では、「お客さんの満足感とは一体、どのようなメカニズムで発生するか?」です。
お客さんは、お金を払う以上、それに見合う「価値」を求めます。
その結果、
「支払ったお金>求める価値」だった場合は、当然ながら不満足要因となります。
「支払ったお金=求める価値」だった場合は、不安から解放され安心感を抱きます。
そして、ようやく
「支払ったお金<求める価値」だった場合に、満足感を得るわけです。
つまり、お客さんは、売り手に対して「この価値は当たり前でしょ」という絶対値を超えない限り、満足感を得ることはないと言うことです。
新聞販売店が見据える顧客満足とは
少し前置きが長くなりましたが、いよいよ「新聞販売店が考えるべき顧客満足度」を考えてみましょう。
新聞販売店がお客さんに提供する代表的商品は、当然ながら「新聞」です。
お客さんが新聞販売店から定期購読を申し込み、毎月決められたお金を支払う以上、それに見合う価値(絶対値)を求めるのは当然です。
それでは、お客さんの新聞販売店に対する絶対値とは何でしょうか?
まず、肝心の購読新聞の中身(記事の質)について求める価値は、新聞販売店よりも「新聞社」に対して向けられるものですので、ひとまず置いていくとして、それ以外の要素を考えると、こんな感じではないでしょうか。
1.新聞は、いつもきちんと届いていること(絶対値)
2.新聞は、いつも決まった時間に届いていること(絶対値)
3.新聞は、いつも決まった場所に届いていること(絶対値)
4.新聞は、いつもきれいな状態で届いていること(絶対値)
こうして取り上げてみると、上記1~4の要素は非常に単純です。
しかし、これら1つでも、1回でも怠ると、一気に「不満足感」に変わるので恐ろしい要素です。
しかも、これまで築き上げた信頼度も一気に吹き飛びます。
一度失った信用を元に戻すのは、並大抵のことではありません。
顧客満足を考える場合、まずは、「絶対値をどう死守していくか?」が第一優先です。
これを継続(死守)することで、お客さんの意識も安心感に包まれ、いつしか「満足感」に変容するのではないでしょうか。
お客さんは、しっかり感じ取っています。
「当たり前のことを、いつも怠ることなく、やってくれるありがたさ」を。