どこでも少子高齢化が叫ばれる世の中です。
確かに世間の出来事と言えば、良くも悪くも高齢者にまつわる話題が後を絶ちません。
しかし少し目線を変えてみると、あることに気づかされます。
それは、高齢化とは真逆の「低年齢化」です。
例えば、将棋の世界でもスポーツ界、芸能界を見渡しても、まだあどけなさが見え隠れする子供が大人顔負けのパフォーマンスを披露し、話題を繰り広げている光景をよく見かけます。
そこで、一つ気になるのが「子供の就労」です。
「子供っていつから働けるの?」
「普通、高校生になるまで働けないって聞いたけど?」
こんな疑問を抱く方も意外に多いのではないでしょうか。
実は、子供の就労は新聞販売店にとっても古くから深い関係性があります。
そこで今回は、「子供の就労と新聞配達の仕事について」取り上げてみたいと思います。
日本の法律を知っておこう!
まず、日本の法律による「子供の就労」について理解しておく必要があります。
労働基準法では、『満15歳になってから最初の3月31日が終了するまでは雇用してはならない』と定められています。
つまりは、義務教育期間の中学生以下の子供は原則、働いてはダメと言っているわけです。
「えー、だって中学生以下でも働いている子供もいるじゃん!」
と、お思いの方もいるでしょう。
ご察しのとおり、この法律には例外も定められているんです。
労働基準法をよく見ると、第56条で次のように書かれています。
- 児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満十三歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができる。
- 映画の製作又は演劇の事業については、満十三歳に満たない児童についても、同様とする
この条文を読むとだいぶ理解できますね。
1では13歳以上の子供でも一定要件を満たしていれば「就労OK!」と言っており、これは新聞配達の仕事にも該当するので「中学生でもOK!」と言うことになります。
2については、いわゆる芸能やタレントの仕事だったら、「中学生以下の子供でもOK!」と言っており、子役タレントがたくさん活躍している姿をみても納得できますね。
新聞販売店が中学生を雇用するための要件
法律上、中学生を新聞配達員として雇用することは可能ですが、あくまで例外的な措置です。
実際に雇用する際には、雇用主として留意しなければならない要件が次のようなものです。
- 実年齢をしっかり確認する
- 学校長の承諾をもらう
- 親の同意がある
1については、「住民票などの公的書類」を提出してもらうことで13歳以上であることの確認を行います。
2については、労働基準法第56条の『行政官庁の許可を受けて』という条件があるため、「正当な理由をもって、勉強に差し障りが出ない範囲で就労することを許可します」といった主旨の「学校長の証明書」を校長先生から取り付ける必要があります。
3については、その子供の親(親権者、保護者)からも、働くことへの承諾という意味で「親権者の同意書」を取り付けます。
新聞販売店が中学生を雇う際には、こうした点をしっかりと確認する必要があり、関係書類の保管が義務付けられていることも覚えておきましょう。
新聞配達は中学生でもできる?
子供の就労は、大人と違い就労に関しては色々制限があります。
では、新聞配達の仕事を中学生に就労させることは可能なのか気になるところです。
法律に照らし合わせると、「18歳未満の年少者を午後10時から翌日の午前5時までの深夜に労働させることは禁止」となっています。
そうなると新聞配達で問題となるのが、朝刊の配達時間帯です。
朝5時以降の配達であれば問題ありませんが、それ以前の時間帯で働かせることは法律違反となってしまいます。
そのため、実際に中学生を雇い入れた場合、朝刊の配達時間を適法に調整することが求められます。
ただし、夕刊の配達でしたら日中の時間帯になるので、比較的調整しやすいと言えるでしょう。
まとめ
芸能やスポーツ界など、一定の技量が求められる仕事に対して、新聞配達などは一般の中学生でもこなすことができる数少ない仕事の一つです。
ただし、中学生がアルバイト感覚でお小遣い稼ぎなどの目的で働くことを法律は認めておりません。
「家計を助けること」や「学費のねん出」などの大義を持っていることが必要です。
つまりは、もし、中学生を受け入れようとする際には、雇用する側の新聞販売店は法律が定めた適用要件をしっかり把握したうえで「子供の就労」を受け入れましょうね!と言うことです。