新聞販売店が募集する求人票をよく見ると、「財形貯蓄制度あり」とか「大型積立制度あり」とか書いてあるのをご存知でしょうか。
では、新聞販売店が行っている「財形貯蓄制度」とは、一体どういう制度なのでしょうか。
これは、新聞販売店の従業員向け福利厚生のひとつで、会社が毎月一定金額を給与から天引して積立する仕組みです。
一般的な財形貯蓄制度は、まず財形貯蓄を行なっている金融機関に会社が給与天引きします。
次に、控除された積立金を事業主が取扱金融機関へ送金し、勤労者の財形口座に預け入れられる形です。
簡単に言うと、個人が貯金するのを会社が代わって半強制的に実施しているというわけですね。
ちなみに、一般的な財形貯蓄制度には3種類あり(住宅・年金・一般)一般の財形貯蓄制度の場合の金利は大手銀行で0.050%~0.10%という低金利です。
※住宅や年金の財形貯蓄の場合、550万円までは非課税というメリットがあります。
つまり、100万円預けても、1年でわずか500円~1,000円ほどの金利にしかなりません。
正直普通に銀行に預けているのと差ほど変わりはありませんし、金利だけ考えると、ネット銀行に預けたほうが金利は高いです。
一方、新聞販売店の財形貯蓄制度はどうなっているでしょうか。
これは、新聞業界独自の財形貯蓄制度なので、毎月給与から天引きされるのは一緒ですが、主に自分が預けた金額の半分を自分が勤めている新聞販売店が負担し、さらにもう半分の金額を系統の新聞社が負担する仕組みとなっています。(但し、系統によって違いがあります。)
ということは、自分が毎月1万円預けた場合、さらに5,000円を勤め先の新聞販売店が、もう5,000円を系統の新聞社が負担してくれるので、毎月2万円預けている形になり、満期時に自分が掛けた金額の倍の利息が付いてお金が返ってくるという仕組みになっています。
普通の銀行の財形貯蓄制度の金利はわずかばかりですが、新聞販売店の財形貯蓄制度は、単純に自分の掛けた金額の倍額(※)になるので、新聞販売店の福利厚生として、実に素晴らしい制度だと思います。
(※)満期額は系統、掛け金、掛けた年数によって違うので、必ずしも掛け金の倍額になるわけではありません。
また、新聞販売店の規模にもよりますが、必ずしも財形貯蓄制度を全ての従業員が利用できるわけではなく、販売店独自の基準を設けていることが多いように感じます。
なぜならば、勤め先の新聞販売店も掛け金に応じて決まった金額を毎月負担しなければいけないので、全従業員が制度を利用した場合、販売店経営を圧迫する原因にもなります。
また系統ごとに違いますが、何年以上掛けていないと(働いていないと)本人が掛けた金額しか貰えないなど独自のルールを設けていることもあります。
それでもこの低金利時代に、新聞販売店の財形貯蓄制度は大変魅力的な福利厚生制度です。
自分でなかなか貯金出来ない人や独立する為の資金を貯めたい人などは、新聞販売店で働くことも選択肢の一つとして考えてはいかがでしょうか。