常配・代配と気になる休日のお話し

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通常、新聞配達スタッフ(常配)は自分の担当エリア(配達区域)をお店から割り当てられています。
当然ですが、自分の配達区域はきちんと責任を持って仕事をまっとうしなければなりません。

そうすると、
「自分がもし、休んだりしたらどうなるの?まさか、休刊日(月一度)以外休めないってこと?…」
なんて言う疑問も湧きだします。

では、その疑問についてお答えしていきましょう。

常配の休みは代配でカバー

多くの新聞販売店の配達スタッフは、「シフト制」で休日を入れ替わり取れるようになっています。
しかし、その人が休んだ場合は、自分の担当区域には配達する人がいなくなってしまいます。
新聞販売店では、そのような時に備えて「代わりに配ってくれる人」をあらかじめ用意しています。
それを「代配(だいはい)」と呼んでいます。

代配とは、配達スタッフの休日や急な欠員があった時などに、その配達スタッフの担当区域を代わりに配る人です。
お店によって多少違いはありますが、数人の常配スタッフに対して代配スタッフ1名を一つのグループとして取り回しているケースもあるようです。

代配人は、常配スタッフそれぞれの担当エリアをカバーしなくてはいけないので、どこの配達区域でも配れなくてはいけません。

そのため、代配人は受け持ったエリアの順路帳を元に配達するわけですが、万一、それが現状(最新のもの)でないと思わぬトラブルに発展します。

順路帳には、購読者に関する様々な情報や注意点などが記載されており、変更があればその都度更新していきます。

もしそれが書き換えられてなく、古い情報だったとしても、それが古いのか新しいのか代配人には見分けがつきません。

例えば、留守止め(=一定期間の配達中止)やその逆の再入(=配達再開)などは、頻繁に発生するだけに担当区域の配達スタッフは、引き継ぐべきことしっかり伝えることが必要です。

このようなことから代配は、配達スタッフなら誰でもできるという仕事ではありません。
一定以上の経験や責任感、確かな実行力が要求されることから、店長や主任者クラスのベテランが担当することも多いようです。

また、常配スタッフだった人がいつしか代配に抜擢されることもあります。
これをどう捉えるかは人により様々ですが、代配の要件を考えると「格上げ」に値します。
代配に抜擢されれば、常配の時よりも報酬(給与)も増えるはずです。
一方、その分これまで以上の責任感とプレッシャーも増すので、躊躇してしまう人も少なくないようです。

しかしながら、お店側からすれば、将来の幹部候補として資質があると判断してのことだとも言えるので、更なる高みを目指す絶好の機会と考えるべきではないでしょうか。

気になる休日は?

そのようなことで、配達スタッフは安心して休日が取れるように「代配」という仕組みでカバーしています。
では一体どのくらい休みがもらえるのでしょう。

これはもちろん新聞販売店によって様々ですが、大前提として、法律上の「休みの定義」はどのようになっているかを押さえておく必要があります
労働基準法第35条では「法定休日」について、

1.使用者は、労働者に対して、毎週少くとも1回の休日を与えなければならない。
2..前項の規定は、4週間を通じ4日の休日を与える使用者については適用しない。

と定められています。

法律の定めに従い、新聞販売店でもこの法定休日に準拠して休日を取り決めているところが多いようです。
つまり、平日、土日、祝祭日も関係なく配達される新聞販売店であっても、スタッフは最低週に1日、月4日以上は必ず休みを設けるというのが原則です。

その中で、常配と代配でそれぞれの休日を確保しながらローテーションしているわけです。
また、それ以外にも新聞業界全体の「休刊日」も定められているので、必然とスタッフ全員が同時に休める日が年間10~12日くらいあります。

サラリーマンの平均的な年間休日が105日前後と言われる中で、休日数だけで見ると確かに少ないように思えます。
これは、慢性的な人手不足も大きな要因でもありますが、かといって、休日数を削減すれば更に人が離れていくのはもちろん、たちまち「ブラック」のレッテルを貼られてしまいます。


これらは、個々の販売店の問題ではなく、業界全体で負うべき課題とも言えるでしょう。

休日は労働者の与えられた権利です。
きちんと休みをとることは、心も体もリフレッシュさせ、しっかり働くための要件にもなります。
与えられた貴重な休日を是非、有意義に過ごしていただきたいものです。

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