クレームに発展!新聞配達にありがちな業務ミスをどう防ぐ?

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仕事をしている方々にとって付きものなのが業務上のミス
ただし、単に「ミス」と言っても軽微なものから重大なものまで様々ですが、一つのミスが「トラブル」⇒「クレーム・苦情」に繋がることは言うまでもありません。
これは新聞配達の仕事でも例外ではなく、「新聞配達において、クレームに繋がりやすいミスは?」と言えば次の4つではないでしょうか。

  1. 遅配(ちはい)
  2. 不着(ふちゃく)
  3. 誤配(ごはい)
  4. 留守止め(るすどめ)

これらが発生してしまう原因は、内部要因もあれば外部要因によるものもあります。
そこで今回は、その発生源と適切に対応するための方策を取り上げてみましょう。

1.「遅配」の原因と対処法とは?

通常、新聞を購読者宅に届ける時間帯は、朝刊はおおむね午前6時頃まで、夕刊はおおむね午後4時30分くらいまでに届けることが慣習になっています。(地域差はあります)
その時間帯を過ぎて配達をすると「遅配」として認識される可能性が高くなります。
それでは、遅配となる原因はどんなものかを見てみましょう。

遅配の原因①:スタッフの寝坊や病欠などの内部要因

遅配になってしまう多くの原因は、配達スタッフの遅刻や欠勤によるものです。
これらに陥る理由ですが、遅刻で言うと「寝坊」、欠勤では「体調不良」などです。
欠勤はもちろん、遅刻の度合いによっては、販売店では代わりの配達員を手配することになりますが、どの販売店でも余剰な人員を抱えているわけではありません。
場合によって、エリア全体の配達が遅れてしまうことになりかねません。

<対処方法>

寝坊や体調不良を回避させるには、日頃の体調管理や行動意識にかかっていると言っても良いでしょう。
寝坊の多くは、寝る時間と睡眠した時間、身体の疲労度などのバランスの崩れが大きく係わっています。
また、行動意識の欠落で目覚ましをセットし忘れるケアレスミスもよくあるケースです。
特に日中「いつもと違う行動をした」、「ルーティンを崩してしまった」という過ごし方をした際には、就寝前により意識を強く持つことが必要です。
それでも、急な体調不良などで遅刻や欠勤する場合、できるだけ早く販売店に連絡することでトラブルを最小限に出来るはずです。

遅配の原因②:外部要因による新聞到着の遅れ

遅配の原因が配達スタッフの問題以外に考えられるのは、新聞自体が販売店へ搬入が遅れるケースです。
例えば各販売店に新聞を届けるトラックが、大雨や大雪によって一時足止めされたり、大きな選挙や重大事件が発生した場合には、新聞記事の締め切り時間が延長され、販売店に届くのが遅れてしまうということも実際にあります。
大雨や大雪の場合には、販売店への到着時間が遅れてしまうだけではなく、配達そのものも普段より時間がかかってしまうため、やはり遅配の原因になっています。

<対処方法>

選挙などで記事の締め切り時間が延長される場合は、配達時間の遅れをあらかじめ新聞社がアナウンスすることがほとんどです。
また、自然現象や突発的な事故の発生などによる遅配に関しても配達スタッフを責められません。
このようなケースも「稀(まれ)にある」という心構えのもと、配達可能な状態になったら粛々と任務をまっとうし、いち早く購読者宅に新聞を届けること、日頃の腕の見せ所かもしれませんね。

遅配の原因③:配達ルートなどの内部要因

定期購読者の中には「〇〇時までに新聞を届けて欲しい」と、配達時間の指定されることあります。
これを「早入れ」と言います。
早入れ宅への遅配の原因は、「配達ルート」に問題があるケースが多いようです。
早入れを希望している購読者は、特に時間にシビアな方が多いので、即クレームに発展する可能性が高いと言えるでしょう。

<対処方法>

新聞を配達する際には、効率的なルートを設定し、その通りに配達することが求められます。
しかし、配達エリア内に「早入れ」を複数受け持つことになった場合、配達ルートの再構築が必要です。
ただし、地図上だけでなく実際に回ってみて不具合がないかどうか検証し、必要に応じて修正しながらルートの最適化を図ることで遅配防止に繋がります。
まさに、新聞配達版「P(計画)⇒D(実行)⇒C(検証)⇒A(是正)」のマネジメントサイクルが基本になるわけです。

2.「不着」の原因と対処法とは?

不着」とは、購読者宅へ「本来届くはずの新聞が届いていないこと」を言います。
不着になる原因の多くは、配達スタッフの単純ミスによるものですが、稀(まれ)に盗難やイタズラなどが原因によることもあります。
実際のところ、不着はクレームに繋がる代表格になっています。
ということで、不着を防ぐための原因と対処方法を見ていきましょう。

不着の原因①:配達スタッフによる入れ忘れ

不着のほとんどは、「配達飛ばし」という単純なミスによるものです。
配達スタッフは、事前に作成した「順路帳」を元に配達します。
この順路帳どおりに配達すれば「入れ忘れ」を防止できるのですが、慣れてくると「記憶」で配達してしまうことが不着に繋がる大きな原因になっています。

<対処方法>

順路帳をしっかり確認しながら配達することが一番の防止策と言えますが、配達スタッフの多くは「覚えてしまえば順路帳は見ない」と言うのが実際のところです。
それでは、一流の配達スタッフは不着の防止策としてどんなことをしているのでしょうか。
そこで千葉県にある新聞販売店の配達員Nさんに伺ったところ、次の2点を実行していると言います。

「積み込む新聞の数と配達件数をきっちり合わせること」
「エリアごと20~30部を束にして、その都度飛ばしがないか確認すること」

確かに、配達すべき新聞の数をしっかり揃えることは、非常に合理的と言えます。
最後まで配達して新聞が余っていれば、不着が生じたことの証です。
しかしそれだけでは、万一、配達後に新聞が余っていたら、遡(さかのぼ)って不着宅を特定することは大変な作業です。
そこで、その細分化したエリアごとに飛ばしていないかを「その都度」確認するのがより確実です。
そのために、あらかじめ新聞を数に合わせて束ねてWチェックを行っていると言うことです。

不着の原因②:配達したのに新聞が届いていない

これも稀(まれ)ではありますが、確かに配達したはずの新聞が購読者の手元に届いていないこともあります。
考えられる原因として、「ポストから落ちた」「風に飛ばされた」「何者かによって抜き取られた」というケースが多いようです。

<対処方法>

まず、「ポストから落ちる」「風に飛ばされる」という防止策は、しっかりポストに新聞を入れ込むことで大半は解決されるはずです。
少なくとも新聞全体の「4分の3」、風が強い日は「5分の4以上」はポストに納めるようにしましょう。
次に、「盗難」や「イタズラ」による不着の発生については、配達スタッフに非はありません。
しかし、原因が特定されなければ、不条理ですが購読者にお叱りを受けることもあります。
一度発覚したら、面倒でもしばらくは「配達完了時にスマホで写真を撮っておく」ぐらいの対応策を考えても良いでしょう。
また、購読者と投函の見直しや防止策を話あったり、郵便受けに新聞をしっかりと入れ込むことも、盗難やイタズラ防止に有効です。

3.「誤配」の原因と対処法とは?

誤配」とは、「関係ないお宅に配達してしまう」もしくは「配達する新聞の銘柄を間違えて配達してしまうこと」と言う意味です。
不着と同じく、誤配も即クレームに発展するので、その原因と対策をしっかり練っておきましょう。

誤配の原因①:関係ないお宅に配達してしまう

これは特に、団地やマンションなどの集合住宅で起こりがちです。
階数や部屋番号を間違えて、別の部屋に新聞を配達してしまうわけですね。
間違えて新聞を届けられてしまった家にとっては「誤配」、新聞が届けられなかった家にとっては「不着」となってしまいます。
原因は、配達スタッフの「うっかりミス」がほとんどのようです。

<対処方法>

集合住宅への配達には、順路帳とは別にマンションやアパート毎のカードを用意して、それを見ながら配達するのが一番確実です。
特に団地など件数が多い場合、記憶に頼るとどうしてもミスしてしまいがちです。
その場合、両手が空くようにアームバンドなどを利用すると、効率よく配達することができるのでおすすめです。

誤配の原因②:別の銘柄の新聞を入れてしまう

誤配で一番多いケースがこれです。
新聞販売店には特定の新聞社のみを扱う「専売店」、複数の新聞社の新聞を取り扱う「複合店」、そしてその地域の全ての新聞を請け負う「合売店」の3種類が存在します。
都会であれば専売店がほとんどですが、田舎になるほど複合店や合売店の販売店が多くなります。
取り扱う新聞の種類(銘柄)が増えれば増えるほど、誤配の可能性も増していくわけです。

<対処方法>

誤配を防ぐ一番の対処方法は、「基本に忠実である」ということです。
「順路帳をしっかり確認しながら配達し、一軒ごとに再度確認する」、こうすれば誤配を限りなく0に近づけられます。
しかし、人間はどうしてもうっかりミスはしてしまいがちです。
そこで、この道15年のベテラン配達員Yさんの取り組みをご紹介しましょう。

●バイクに新聞を積む際に、しっかり整理しておく

Yさん曰(いわ)く、「複数の銘柄の新聞を配達する際には、その銘柄ごとにきちんと整理して、そのうえで毎回同じ位置に同じ銘柄の新聞を積むようにしています。そうすれば、間違えて別の新聞を手にしてしまう、というミスは防げると思いますよ。」との事です。

●細かなエリアごとに数を揃えておく

これは前出の「不着」への対応策でも触れましたが、誤配にも有効に作用するようです。
自分の受け持ちエリアを20~30件の細かなエリアに分けて、そのエリアごとに配達する新聞の数を揃えておくわけです。
Yさん曰く、「新聞の銘柄が増えるとこの数を揃えるという作業が面倒ですが、不着や誤配を防ぐための非常に有効な方法ですので、面倒がらずにしっかり数を揃えておくほうが良いですよ。」との事でした。

●「〇〇新聞」と書かれた面を上にして配達する

配達する際には通常、新聞を二つ折りにしますが、その際には新聞の一面を表側に、そして「〇〇新聞」と印刷されている側を上にして配達する方法です。
Yさん曰く、「細かなことではありますが、自分が配達する新聞の銘柄を常に意識しておくことが、ミスを防ぐことに繋がります。もし、ミスに気がついて引き返したときにも、配達した新聞の銘柄がひと目で分かれば、最小限の手間で済みますから…」との事でした。

4.留守止め配達の原因と対処法とは?

留守止め」とは、購買者が一定期間留守にするなどの理由で、「その間は配達をしないでほしい」旨を新聞販売店に申し出ていることです。
当然留守止め期間中に新聞を配達してしまうと、「留守止めミス」になってしまうわけですね。
購読者からすれば、それが守られていないと当然クレームに発展しかねません。

<対処方法>

留守止めミスが発生する原因は、大きく2つあります。
一つ目は、購読者から連絡を受けたスタッフと配達スタッフとの「連携ミス」です。
配達スタッフからすると「聞いてないよ~」となるわけですが、これは販売店側で日頃の「報連相」を徹底することで解決できるはずです。
二つ目は、配達スタッフによる「うっかりミス」です。
防止策として、留守止め報告が入ったら、順路帳にしっかり記録しておくことです。
どの家が留守止めかはもちろん、対象となる日付(期間)もしっかり記しておくことも大切です。

まとめ

新聞配達の仕事をしていると「遅配」「不着」「誤配」「留守止め配達」などの業務ミスは、多くの配達スタッフが経験していることでしょう。
一人で何百部を掛け持ち、毎日こなすのが新聞配達の仕事です。
たった1件のミスでもクレームや苦情を引き起こしてしまうので大変です。
ミスは誰でも引き起こすもの。
ミスして反省するのも大事ですが、仕事の場合はそこで終わりではありません。
重要なのは、「ミスした原因は何なのか?」⇒「どうすればミスを解消できるのか?」⇒「次からどんなことをしていくのか?」と言った改善行動です。
「ミスは良い機会」と捉えることが大切であり、改善行動こそが自分も会社も強くし、成長していくものだと言えるでしょう。

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