新聞販売店のマーケティング思考-付加サービス 編

B!

高齢者への付加サービスを考えてみよう

新聞とは、老若男女のすべての層を問わず購読される情報誌です。
しかし、新聞販売店が見据えているターゲット(購読者)層は誰かと言うと、実は「高齢者層」なんです。

では、新聞販売店にとって重要ターゲットである「高齢者」に対して、どんな付加サービスが提供できるか考えてみましょう。

日本は今、過去に類のない「高齢者社会」に突入しています。
長生きすることは、とても良いことですが、反面、高齢者ならではの社会問題も確実に増えています。
その一つが「孤独死」です。
確かに、身寄りのがない高齢単身者の場合などは、身の上に何か起こっても周囲がすぐに察知することは困難です。
たとえ今は元気でも、高齢者である本人にとっては不安を常に抱えていることでしょう。

そこで考え出された民間サービスが「高齢者見守りサービス」です。
このサービスに参入している企業で真っ先に思いつくのが、ホームセキュリティー会社ですね。
しかし、本当に親和性が高いのは「配達・宅配サービス会社」ではないかと思うのです。

もうおわかりかと思いますが、新聞販売店にも「配達業務」がありますね。
新聞を届ける際に、単にポスト目がけて投函するだけでなく、ちょっと周囲に目をくばるだけで、購読者のお家の様子も観察することができます。
また、特定の高齢者などの購読者には、「声掛け渡し」をすることもできます。
ちょっとした気遣いで、高齢者にとっておおいなる安心感を与えられるかもしれません。

若い世代への付加サービスを考えてみよう

もうひとつのターゲットとして、将来的を見据えた場合に、「若年世帯」へのアプローチも見過ごすわけにはいきません。
新聞は、政治、経済、社会、文化、地域などあらゆる分野で記者が取材を通じて得た情報を分析、整理し、多様な論評なども加えながら一つのパッケージにして安定的に情報を提供しています。

通常、新聞社が情報を提供し、新聞販売店がお客様に情報をお届けするという役割分担ができています。
しかし既成概念を取り払うことで、様々な発想が生まれます。
例えば、新聞販売店が独自に地域情報をまとめた情報誌を作り上げることも可能です。

実際に、自店でオリジナルの情報誌を作って発行している新聞販売店はたくさんありますが、もっと若年世帯にネットと連携してアピールできるニッチな情報を提供していくのも有効です。

例えば、小中学生の学校の部活であったり、家庭の出来事などを記事にして紹介します。
この辺りは、TV番組を参考にするといいかもしれません(オシャレな家のお宅紹介であったり、ペット紹介などもおもしろいと思います)。
また、今の若い世代は、ネットが主流なので、地域情報誌と地域情報サイトを連携させて情報を発信できると一層効果的です。
また、各種SNSと連携して拡散させることも、若い世代には有効です。

ところで、記事の元になる情報は誰が集めるかと言うと「社員」です。
例えば、新規開拓で一軒一軒訪問することもありますが、時には、新聞購読のお願いで訪問するのではなく、取材としてお客様宅を訪問することは容易に可能です。
集金時でも構いません、とにかくお客様から情報を提供してもらい、編集して記事にすることです。

また、ある新聞社がやっているのは、小中学校の部活の大会期間中、動画を撮影・編集してサイトで紹介しています。

このように、若い世代が新聞販売店の発行する独自の地域情報誌や地域情報サイトに興味を持つことで、学校や家庭で話題になり、新聞販売店の認知度も向上するわけです。

「高齢者向けのサービス」や「若年世帯向けサービス」などは、直接的に購読者獲得に結びつかないこともありますが、そのような付加サービスへの取り組みが地域住民に伝わり、ファンを掴むことで、結果、購読者獲得に繋がるのではないかと思います。

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