新聞販売店の仕事と言えば、たいがい「配達している姿」が思い浮かぶのではないでしょうか。
しかし、よくよく考えてみると配達する先、つまり新聞を契約している購読者がいるからこそ、配達の仕事があるわけです。
「購読者(顧客)をいかに確保するか?」
これは、全国の新聞販売店が常に抱える宿命的な課題です。
では、「購読者を確保する」とは一体どう言うことなのでしょうか?
これには、2つの考え方があります。
まず、一つ目の考え方は「既存の購読者を減らさないこと」、そして2つ目が「新規の購読者を増やすこと」です。
どちらも「顧客を確保するため」には不可欠な考え方ですが、どんな業種・業界であっても、「顧客を確保するための業務=営業活動」は事業の生命線と言っても過言ではありません。
この営業活動を新聞販売店向けに表現すると、「新聞営業」、「新聞セールス」、「新聞勧誘」と言った仕事を指しています。
そこで今回は、この「新聞営業の仕組み」について触れてみたいと思います。
新聞営業には様々なタイプがある!
新聞販売店で配達のアルバイト(パート)に従事している方ですと、新聞営業に携(たず)わる機会は少ないですが、正社員として働く方の大半は、新規顧客の勧誘が業務の一環として割り当てられます。
実は、一口に新聞の勧誘とはいっても、様々なタイプがありますので覚えておきましょう。
このように、新たに新聞購読の契約をお願いする場合にも、色々なパターンがあるわけです。
新聞営業の構造的特徴
上記に取り上げた新聞営業の5つタイプには、実際に営業活動を行うと当然、契約獲得に至るまでの難易度も違ってきます。
参考までに各タイプの難易度を表すと下図のようになります。
それは、「起こし」~「先縛り」は、既存客に対して行われるもので、「新勧」は新規客に対して行う営業行為と言うことです。
冒頭に「購読者(顧客)をいかに確保するかは、新聞販売店の宿命的な課題である」と申し上げましたが、まさしく新聞営業の5つのタイプが、各実行レベルでやるべき事と言うわけです。
では、難易度についても少し触れておきましょう。
ここで表す難易度とは、「個々の顧客に対する接点があるか、ないか?」の違いによって変わります。
既存客の場合、少なからず自店と接点がある(あった)わけですから、アプローチもしやすくなります。
一方「新勧」の場合、これまで無接点だった人に接触を試み、新規契約の獲得を目指すわけですからハードルが高くなるのは当然と言えば当然です。
新聞営業に役立つ「心得」とは?
既存客、新規客を問わず、新聞営業の基本はどちらも「訪問型営業」です。
そこで、新聞営業に欠かせない資質はたくさんありますが、訪問営業をする際に「知っておきたいこと」と「営業の心得」に関する知識を一つ紹介しておきましょう。
「親和性の法則」を知っておこう!
人間心理学の一つに「親和性(しんわせい)の法則」と言うものがあります。
簡単に表現すると「人間は知っている人ほど親しみを感じ、知らない人ほど冷たくなる」と言う法則です。
これを営業的観点から解読するとこうなります。
「知っている人ほど…」とは、「接触回数×接触時間」が大きく影響します。
つまり、お客さんの立場からすると、知らない営業マンよりも知っている(接触している)営業マンの方が親しみを感じると言うことです。
さらに、この法則には興味深い実験データもあります。
それは「接触回数は接触時間に勝る」と言うものです。
つまり、「お客さんと一回の接触時間を長く持つことを考えるよりも、こまめに接触回数を持った方が親しみが深くなりますよ~」と言うことです。
よく「営業はマメな人間が強い」と言うのは、ここから来ているのかもしれません。
15分長話をするより、5分でも良いから3回接触したほうが効果的…
この「親和性の法則」を知ることで、訪問営業の組み立て方を見直してみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
このように、新聞営業(勧誘セールス)は、様々なタイプがあります。
その中で新聞販売店は「購読者(顧客)の確保」を至上命題とし、日々営業活動を行わなければなりません。
「人口の減少」「情報のデジタル化」「個人情報保護」など、営業環境はますます厳しくなる世の中です。
しかし、新聞営業は、まだまだ個のスタイル、古来の考え方から脱却しきれていないのも事実です。
また、昔から新聞勧誘にまつわるトラブルネタが尽きないのも否めないところです。
これからの新聞営業は「属人的(ぞくじんてき)」な営業スタイルから「ナレッジ(知見・情報・ノウハウなど)共有型」の営業スタイルを目指し、全スタッフが一丸となって「チーム新聞営業のあり方」を考えてみる必要がありそうですね。